庭にヤマザクラの大きな古木がある〈キャフェ チェリー・ブラッサム〉。
祖母と母から受け継いできた洋館で、
緋桜(ひお)は、季節の和菓子と茶を提供している。
訪れるのは、犬を連れて散歩にくる老人、長年連れ添う国際結婚の夫婦、
保育園からの帰り道に通りがかった親子、自分が進むべき道に迷う少女……。
桜の木は、今日もゆったり、行きかう人々を眺めながら、
各々が抱える悩みや秘めた思いに耳を傾け、静かに寄り添う。
四季の移ろいと人々の交流を、優しくゆったりと描く再生の物語。
庭のヤマザクラが語り手なのが良かった。
和菓子のカフェっていいな~。
ゆったりした時間が流れていて淡々と進むけど、
それがまたこのカフェの雰囲気に合っていて癒される。
ヤマザクラにはこれからもこのカフェを見守っていてほしい。
近所にこんなカフェがあったら絶対通うのに。